最近仕事のことで、ぐるぐるぐるぐる考えていることがあります。
それは、自分がどんな歯医者になりたいかっていうことです。
歯医者にもいろんな職種があります。
少数派なのは、研究者、行政に関わる仕事、教育者。
1番多いのは治療をする歯医者、つまり臨床医ですが、これにも色々あって、大学で専門を持って治療する人、開業して虫歯から入れ歯から歯周病から全部治療する人、訪問診療に従事する人、発展途上国へ治療に行く人などなど。
本当にさまざまです。
なりたい歯医者像について考えるとき、いつも浮かぶのは職人ということ。
自分の技術を磨いて磨いて、どれだけよい医療を提供できるかということ。
職人は1つのことをひたすら極めていくからこそ職人だと思うのです。
私がなりたいのは補綴(ホテツ)の職人、つまり専門家です。
補綴とは、補ってつづるという文字のとおり、歯の無いところを補って歯を作る仕事。
それは入れ歯であったり、インプラントであったり、かぶせであったり。
かめない、見た目が悪い、しゃべりにくい、患者さんの訴えは様々で、同じ状況の人は一人もいません。
だから面白い。
技術の引き出しが多くないとできない。
自分の引き出しを増やして、それを高めていくことが目標です。
ですが日本の歯科医療は、専門家に否定的な部分が多い気がします。
誰でもかぶせは作れるのにと言う人がたくさんいます。
でも、私はそうじゃないと思います。
私も歯周病やむし歯の治療、神経の治療をできます。
でも大学で一緒に仕事をしている、その専門家の人達には絶対に絶対に負ける。
私が平均して80点の治療をしているとしたら、その人達は常に100点を取れるんだと思います。
入れ歯のこと1つでも、勉強すること、習得しなければいけない技術は山ほどあります。
そして次々と新しいことが出てきて、一生勉強していかないといけない。
そんなにたくさんの分野ことを突き詰めていくことが、私はできないと思います。
それなら、職人さんのように1つの分野を極めていきたいです。
そして別の分野の専門家の人達と組んで、チームで治療をできたらいいなと思います。
例えば、専門の違う歯医者が何人か集まって、1つの医院をする。
そして、1人の患者さんを複数で診ていく。
治療の計画も、それぞれの専門の観点から、意見を出し合って議論して決める。
そういうことができたらいいなあと思います。
これをつきつめていくと、今の日本の歯科医療の形を変えなくちゃ、ということは行政?なんていう大きな話になってしまい、行き詰るという繰り返しです。
そして最後はとりあえず今できることはもっと精進すること!と思って終わっています。
この私の1番の希望を実現するには、何をしていったらいいのか、まだ全然見えていません。
いつか見えてくるのかな。見えてくるといいなと思います。
今のところできることは、日々経験をつんで、技術と知識を磨くことです。